小型クロマトーン(Jankó鍵盤)作ってみた
前置き
最近音楽欲(?)が少し高まっているので、余暇に面白そうな記譜法が無いかググッていたところ、Clairnote(クレアノートかな?)なる記譜法を見つけてしまった。半音階を基にした記譜法であるが、直感的な調号によって調性を示すことができる点が優れている。
そこで(?)、同型鍵盤(Isomorphic Keyboard; 訳は 流行れ!同型鍵盤 (Isomorphic Keyboard) - めでたい - g.o.a.t に従った)を作ってみることにした。
配列
同型鍵盤には様々な種類が考案されているが、ここでは、Toms Jansen により公開されている Arturia Keystep Janko Keys by TomsJensen - Thingiverse を用いることにした。これは、Arturia Keystep の鍵を換装し、六角形鍵のヤンコー配列 (Jankó layout)にするものである。
3Dプリンターは持ち合わせていないので、DMM.makeの3Dプリントサービスを用いることとした。
下準備
各鍵やキートップが別々のstlファイルになっているため、これをアップロードして其々必要数分発注しようとしたとこと、合計が凄い金額になったので、部品を必要数だけ含むstlファイルを作ることにした。
(キートップ1つ分のstlファイルを40個分出力してもらうより、キートップ40個分のstlファイルを1つ出力してもらう方がぐっと安くなるのは納得が行かなかったのだけど、割り付けを手動でやっているとしたら、出力に係わる手間が減るのかもしれない)
stlファイルを結合するためにはOpenSCADを用いた。Python風の文法でプログラマティックに物体を設計することができるため、この種の用途には適していると思う。
scadファイルはGistで公開している。
発注
今回は DMM.make に出力依頼をすることとしているので、前節で作成した Keys.stl
、KeyCapsWhite.stl
、KeyCapsBlack.stl
を DMM.make にアップロードし、発注する。以下の素材を指定した。
ファイル | 素材 |
---|---|
Keys.stl |
PA12 ナチュラル(MJF) |
KeyCapsWhite.stl |
アクリル(ソリッドカラー)Vero Pure White 研磨あり |
KeyCapsBlack.stl |
アクリル(ソリッドカラー)Vero Black Plus 研磨あり |
6月17日に発注し、6月25日に出荷された。
組み立て
基本的には、Arturia Keystep をバラし、鍵を換装するだけである。
注意点:
- 表面がザラザラしているため、摺動面(他の部品と擦れるところ)はヤスリ掛けした方が良いかも?
- 少なくとも摺動面にグリスは塗るべし。
- 白鍵と黒鍵でバネが異なるので、組付ける時に間違えないように(バネが着色されているので間違えにくいとは思う)。
- 出力された鍵は取り間違えやすいので、事前に整理して並べておくとよいかもしれない。
- キートップを研磨してしまうとブカブカになって外れやすくなるので、接着剤でくっ付けた方がよいかもしれない。
掛かった費用
費用は以下の通り。思ってたより高かった……。
物 | 価 |
---|---|
Arturia Keystep | 10,541円 |
3D出力:Keys.stl PA12 ナチュラル(MJF) 1個 |
40,277円 |
3D出力:KeyCapsWhite.stl アクリル(ソリッドカラー)Vero Pure White 1個 |
35,366円 |
3D出力:KeyCapsBlack.stl アクリル(ソリッドカラー)Vero Black Plus 1個 |
25,592円 |
合計 | 111,776円 |
ヤフオクでクロマトーンが時々1万円〜3万円で出品されているので、こちらを買った方がよかったのかもしれないが、3D印刷技術の学習費用と思えば……🥺