グルジア行第一部(1日目〜3日目)

九月末に約一週間グルジアジョージア、又サカルトヴェロ)へ一人旅をしてきたので、その記録。

事前準備

以下の事をした

  • 航空券予約(往路:羽田→ドーハ→トビリシ及び復路)
  • パスポート紛失再発行に要する書類の準備(戸籍抄本発行、顔写真撮影)
  • 海外保険契約(AIU
    • ジョージアはどこの地域に含まれるか不明で、適当に「ヨーロッパ」を選択した。申込後に電話問い合わせをして判明したのだが、「その他」を選ぶのが正解であったそうである。
  • イモトのWiFi で契約
    • 容量は400MB毎3日だったのだが、そもそも回線速度が遅かったために上限に達しなかったような気がする。
  • private 一日個人ツアーの申込
    • group tour 周りの仕組みを全く知らなかったので、不安だったのだが、真相は以下の様である。
      • private tour であるものと、そうでないものの二種がある。private tour は、申込した一団体のみをガイド・運転手が案内する形式であり、一人だけで申込できるツアーは少ない。private tour でないものは、申込した団体全てを一緒にして旅行を行う形式である。

一日目(移動)

飛行機移動

つい前日まで出発空港を成田と勘違いしており、事前確認をしていなければ危なかった。

現地で日本円からラリに両替するのは困難だったりレートが悪かったりすると聞いたので、古本を購うことを考え必要額を米ドルに両替した。現地で下ろすことが出来ることは知っていたものの、万が一引き出し手段を失った時の事を考え現金を用意した。

カタール航空に乗ったのは初めてだったのだが、紫のシートが気品ある感じだったし、配布の毛布が厚手だったのが好印象。ナイフやフォークが金属製なのに驚いた。背の低い容器に水なりジュースなりが入ったものが食事の際に出てきたのだが、アラブ圏の慣習なんだろうか。

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ドーハ空港の謎の像

ドーハ→トビリシの飛行機にて他の日本人を見掛けたのだが、話しかけられなかった。 また、インド人が多かった。

空港からホテルまではトビリシ交通局バス(乗車賃0.50ラリ、つまり約20円)を使うつもりだったのだが、スーツケースが大きかったこととタクシー運転手が強引だったことでタクシーに乗ってしまった。空港から旧市街まで70ラリだった。

現地ホテル

ホテルに WiFi はあるものの、しかし、3階の我が部屋まで届かない。同階の女性が部屋から出て階段中ばで変なポーズを取っているのを見かけたのであるが、通信しようと頑張っていたのだろう。

AU 世界データ定額

せっかく用意されているのだし、AU の世界データ定額を利用しようと試すも繋がらず、連絡を試みる。SamsungGalaxy S8 は電話回線すら繋がらず、サブ機のiPhone 8で掛けたところ繋がった。遅延が数秒あって面白かった。

  • WiFi を無効化→効かず
  • リセット→効かず
  • Chrome の履歴を削除(私はそんなもの効く訳が無いと思ったのだが、渋々消すことに。削除に時間が掛かっていると伝えると「ほら、いっぱいあるから」とあたかも履歴に問題があるかのような返事が……。無論効果は無かった)
  • 現地事業者はsilknet(GEO)が優先的に選択されるようなのだが、これを MAGTI に手動変更。これが効いた。

AU では Silknet と Magti の両者との契約を結んでいるそうであるが、Silknet 側の設定に問題があって使用できないのだろう。

二日目(ムツヘタ・トビリシ

個人ツアーだったのだが、とりあえず、初手グルジア語で自己紹介して意気投合する。

ムツヘタに向かう。

十字架僧院(ムツヘタ)

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十字架僧院(ჯვრის მონასტერი /d͡ʒvris monastʼeri/)

ムツヘタ近くの丘の上に建っている僧院である。

日本ならそこかしこに柵が設置されそうな場所ではあるが、そのようなものは無い。

時々角笛の音が外から聞こえた。歌声も聞こえる。礼拝か何かなんだろうとこの時は思っていた。

内に居る時に聖職者が苛立たしそうに外を見ようと立ったり座ったりしているので、案内人に聞いた所、「外でうるさくする人がいるので聖職者が怒っている」とのことであった。

スヴェティツホヴェリ大聖堂(ムツヘタ)

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ムツヘタ市街。中央に見えるのがスヴェティツホヴェリ大聖堂(სვეტიცხოვლის საკათედრო ტაძარი /svetʼit͡sxovlis sakʼatʰedro tʼad͡zari/)

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スヴェティツホヴェリ大聖堂内アルゴナウティカの場面を描いた壁画

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墓石(グルジア語・アラビア語

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教会裏の碑文

教会裏にムヘドルリで書かれた文があったのだが、ガイドの人は「文字は分かるんだけど、全く意味が分からない」とのことであった。

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葡萄十字(ჯვარი ვაზისა /d͡ʒvari vazisa/)

教会から出るとまた角笛の音と音楽が聞こえてきた。見ると、東アジア風の相貌の老男女(夫婦か?)が近付いて来ており、男は五星紅旗を配したパステルカラーのリュックサックを背負いながら角笛を吹き鳴らし、女は持ち抱えているスピーカーから大音量でヘンデルのオラトリオ「メサイア」を流しながら「ハレルヤ!!」と叫び、おもむろに教会入口へと歩を進めているではないか。この尋常ならざる事態に黒山の人集りが出来、また、聖職者が進入を拒否せんと入口前で立ちはだかり誰何するものの、夫婦は声調言語(中国語だろうか)で怒鳴ったり、胸を叩いて「ハレルヤ」と声を張り上げるだけで、両者に会話は成立していないようだった。最終的に、夫婦は断念して恨めしそうに場を去ることと相成った。隣の見物人から「あれ誰? 何をしているの?」と訊かれたのだが、「中国人であるようには見える(中国人以外が五星紅旗を身に付けるだろうか?)のだが、何を言っているのかも何をしているのかも分からない……」と答えるしかなかった。

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栃ノ進の看板

ムツヘタ市街に至る道中に栃ノ進の看板があったのだが、今思えば設置目的は何だったのだろうか。

ナリカラ砦(トビリシ

トビリシ市街に戻りナリカラ砦(ნარიყალას ციხესიმაგრე /nariqʼalas t͡sixesimagre/)に登る。

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ナリカラ砦のある丘からの展望

なお、ここからトビリシ植物園併設の日本(風)庭園を俯瞰することができる。突然視界に入ってくる鳥居の理由を調べるのに夢中で写真を撮り忘れてしまったのが残念である。ガイドの人も知らなかったそう。

www.tbilisi.gov.ge

三日目(トビリシ

朝、フロントにクリーニングを頼む。上下一着と下着二日分で30ラリ。

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トビリシには野犬が多い。昼は寝て、夜吠えだす。耳のタグはワクチン接種済の証

四日目と五日目の予定を決めるために街をぶらつく。 街中に両替商がおり、空港内の両替商と大して変わらない良レートで両替している所があったたりした。

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そこら中にEU旗がはためいている

街中では主に旅行会社、タクシー、レストランによる呼び込みが行われており、また、「貸し出し中 連絡先……」の表示がある車が大量に駐車されていた。

ある旅行会社の呼び込みに反応して、カヘティ行きのツアーを申し込んでみた。ロシア人女子によって呼び込みがされているので、もしかするとツアー参加者も案内人もロシア語話者で占められるのではないかと一抹の不安があった。

また、クタイシ行きのツアーは大きめの旅行会社に申し込んでみた。

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本の行商

旧市街ではロシア語による表記も多かった。また、物を並べられそうな空間には決って本の行商がいた。

グルジア語の本を探していたら研究者に話かけられた。曰く、「古グルジア語の本が欲しいなら、トビリシ国立大学一号館の大学書店に来なさい。ます現代語が出来ないといけないけどね」「現状、グルジア語を能く話す日本人は三人いる。東京都市大学の前田弘毅、学生だった五月女颯、そして今はトビリシにいる児島康宏だ。お前は四人目になりに来たのか?」と。アカデミア以外にはもう少しいると思うのだが、ともかくこの三人が有名であることは間違いなさそうだ。

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ヒンカリ

小籠包の皮を厚くして、内容量も増したようなものである。さしずめ大籠包か? 非常に美味しい。

第二部へ続く